untitled(首なし)ポラロイド
「untitled(首なし)ポラロイド」

1971

1971年撮影。夢の中に現れた正体不明の人物を写真に撮れないか、と考えた。
具体的に誰それとわかったら、どんな人物であれ安心出来る。誰だかわからないから不安になるのだ。しかし、その人物に会ったことは間違いない。言葉にし難い「人となり」や体温のような「ぬくもり」は記憶に結びついてしっかり残っている。この曖昧だけど実感ある感覚を写真に撮ってみたいと考えた。妻を被写体にして全身のフレームを決めた後に、頭分カメラを下に移動して、首から上をフレームアウトした。
当時住んでいた六本木の福田アパート階段前で。
顔が見えないポートレートを撮り始めた最初の実験写真。

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