「日本の女, 高杉かほり (雑誌流行通信)」
「日本の女, 高杉かほり (雑誌流行通信)」

1981

アートディレクター鬼澤邦さんから、雑誌『流行通信』で「日本の女」というテーマで写真を撮らないか、の誘いがきた。
ちょうどその頃、玉井敬友さんのシアタースキャンダルで公演された「少女阿部定」を観て、主演の高杉かほりさんに魅入られた。撮影をお願いすると快諾してくれた。

もしも美しさを超えることが出来たなら、それは狂おしさに繋がっていくのではないだろうか。
高杉かほりさんの魅力を説明する適切な言葉が見つからない。骨が見える美人というか、SMを遊んでしまう思い切りのいい妖しさをなんとか写真に定着したかった。
高杉さんは、いくら突き詰めてもさらにその奥があるような、どこまで行ってもゴールが見えない迷宮のような懐を持っていた。
一日の撮影ではとても撮りきれない。
かと言って、いつまで撮っていてもその先があると思わせる女性だった。被写体として必要なすべてを持ち合わせていた。
撮れるか、撮り逃がすか。
写真ていうのは一度きりなんだよね。

AD→鬼澤邦、HM→矢の澄生、M→高杉かほり、着付け→江木良彦

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